HALLOWEEN Jose P Yaponski

HALLOWEEN

Jose P Yaponski
みなさん、こんにちは。
ホセです。

今回で3回目のBook Columnとなりました。

10月31日はHalloweenということで、今回はUSの写真家 Ken Wernerの写真集"HALLOWEEN"を中心に紹介させていただきますね。
数あるHalloween 写真集の中でも飛び抜けてカッコいい写真集なんじゃないかなと思います。

1981年に出版されたKen Werneの"HALLOWEEN"。

HalloweenはUSで一般的なイベントですけど、最近日本でも盛り上がってきている。

traditionalから現代まで、Halloweenにはケルト文明由来といわれている長い歴史とたくさんの文脈があるけれど、

この写真集でKen は、LGBTのストリートパーティ、または現代の源流としてのHalloweenを撮影しているよ。
舞台はSan Fransisco。

現在では世界的に重要な社会運動になってLGBTの権利を主張する舞台ともなっているプライド パレード。

そもそも1960年代にDiggersやCockettes, Angels of LightたちのようなヒッピーコミュニティがSan Fransiscoのヘイトアシュベリー地区でHaloweenパーティーを始めたのがきっかけになっているそう。

70年代になるとSan Fransiscoのヒッピー運動は下火になったけど、その自由を愛するスピリットはGay cultureへと引き継がれていった。

they(彼女ら/彼ら)のHalloween partyは世界をまきこむ社会運動になるまで大きくなりました。

いつの時代でも世界を変えていくのは、少数の人たちがはじめる小さなmovementです。
これは60年代に有名だったヒッピー集団でアンダーグラウンド演劇集団でもあったAngels of Lightのちいさな写真集。

日本人であるTASHI SHIMADAが70年代初頭にtheyに同行して撮影した。

Angels of Lightの前身は、ドラァグクイーンのHibicusをリーダーとするアンダーグラウンドの演劇集団The Cockettesだった。

けど、The Cockettesが商業化していくのに反発したHibicusを含めるメンバーたちが新たに結成したコミュニティだったそうです。
dentityを解放させたメンバーたち 
とてもパワルフでポジティブ!
見ているだけで気持ちのよい写真である!

Kenが撮影したHalloween street partyは、そんな神話のような時代から10年数年経過した1980年頃のこと。

この時になると仮装はより一般的になって、参加者や仮装の表現がより多様になったのがわかる。
PunkやFetish もまざってきた。

HalloweenにもNew Waveがおしよせてきた。

時代が反映されているのも見どころで面白い。
$が大好きなドクターと前身包帯に巻かれAB型の血液のドネートする患者…

この2人はあまりgood vibesな関係ではなさそうだ…
定番のocculticでhorrorなコスチュームの他にもなんだかよくわからない、でもcreativeな仮装もまざっているのがとてもユニーク。

ここらへんから現代に通じる仮装になってきている気がする。
ホラー映画が盛んな時代でもあったから、けっこうリアリティがあってほんとうに怖いしキモいのもあったり…でもこの写真は構図がカッコいい!


余談になりますが、USでは日本のホラーcomicsがすごく人気。それはUSではホラーcomicsが暴力的な表現だとして禁止されていた時代があったからなのだそう。

対して、日本では楳図かずおや日野日出志たちのような天才が大勢あらわれて、たくさんの豊かなホラー表現がうまれた。

USのアンダーグラウンドでオルタナティブなコミックアーティストたちは自分たちの失われた表現を日本のcomicsに求めている傾向があるのだそうだ。
考えてみれば、そもそもAngels of LightのようなHippie cultureとhorrorやoccultismは切っても切れない関係。

HippieはLSDの影響で神秘主義やオカルト思想に急接近していった。それがPop occultismとしてより身近になった。

Halloweenとの相性はパーフェクトだった。
有名なUS Armyの兵士募集ポスター
"I want you"みたいなガイコツ。

この写真集でいちばんすきな写真です。
Kenが撮影したHalloweenにあらわれる人たちはcreativeでcoolな人たちばっかりだ。

こんな風にUSでは昔から仮装が一般的なため、クリーチャーが大好きな人たちがとても多い。

日本の特撮やコミック、ゲームデザインが人気なのもこのことが関係しているのかもね!

素敵なクリーチャーの本たちもいつか紹介できたらうれしいです。

今回も読んでくれてありがとう。

またね

Jose
PROFILE
Jose P Yaponski
函館在住の本好き、コーヒー好き、Baby Metal好き、LE SSERAFIM チェウォン好きの趣味人